序盤から、表現のための表現ではなく、物語のための表現であることが伝わってきて、期待が否応にも高まるが、最終的にルーがいない世界に回帰するという脚本構造に引っ張られて、飛躍しきれなかったように思う。
ルーの造形は本当に魅力的で、だからこそ別れの哀惜を描ければ、というところだったのかもしれないが、ルーには青春の幻影ではなく、永遠のイマジナリーパートナーになって欲しかった。
終盤の展開も、これは泣くやろという力強いものではあったが、事態を収拾するのがルーのうたではなく斉藤和義のうたなのはちょっと乗り切れない。タコバアはともかく、爺さんも人魚になってしまったのも事さらに現実を意識させられてやや辛かった。
とはいえ、映画としての強度は高く湯浅監督の新境地と言える作品なので見て損はない。